年末調整が終わると、次は法定調書と給与支払報告書です。令和8年分(2027年1月に出す分)は、源泉徴収票の出し方と、e-Taxが義務になる枚数が変わります。
国税庁の手引とQ&Aを読みながら、「どの書類を、いくらから、どこへ、いつまでに」を1枚の表にまとめました。前々年の枚数を入れると、e-Tax(給与支払報告書はeLTAX)が義務かどうかを出すエクセルも付けています。
- 対象:令和8年分(2026年中の支払)を2027年に出す法定調書
- 収録:手引の6種類+給与支払報告書・退職所得の特別徴収票・合計表(報酬の支払調書は区分ごとに7行、計15行)
- 提出期限:2027年2月1日(月)
- 時点:2026年10月28日に国税庁サイトで確認
- 文字コード:UTF-8(BOM付き)。エクセルでそのまま開けます
2027年1月から変わる3つのこと
- 給与支払報告書を市区町村に出せば、税務署には給与所得の源泉徴収票を出さなくてよくなります(源泉徴収票のみなし提出の特例)。
- e-Taxなどで出さないといけない枚数が「100枚以上」から「30枚以上」になります。2025年に提出すべきだった枚数で判定します。
- 退職所得の源泉徴収票は、これまで役員分だけでしたが、令和8年分からはすべての退職手当等が提出範囲です。
あわせて、給与所得の源泉徴収票の提出範囲が給与支払報告書と同じ(中途退職で30万円以下の人を除く全員)になりました。とはいえ給与支払報告書を出していれば、税務署に出す源泉徴収票は基本的にありません。
法定調書の提出範囲・提出先・期限の一覧
| 書類 | 提出範囲(令和8年分) | 提出先 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 給与所得の源泉徴収票 | 中途退職者で年30万円以下の人を除き全員 | 所轄税務署(給与支払報告書を出せば不要) | 2027年2月1日 |
| 給与支払報告書 | 中途退職者で年30万円以下の人を除き全員 | 受給者の2027年1月1日の住所地の市区町村(中途退職者は退職時の住所地) | 2027年2月1日 |
| 退職所得の源泉徴収票 | すべて(金額基準なし) | 支払事務をする事業所の所轄税務署 | 退職後1か月以内(2026年中の退職分は2027年2月1日までにまとめて出してもよい) |
| 退職所得の特別徴収票 | すべて | 受給者の2026年1月1日の住所地の市区町村(eLTAXで出せるようになるまでは省略できる) | 退職後1か月以内 |
| 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 | 同じ人に年5万円超(外交員・ホステス等は50万円超など。下の表) | 所轄税務署 | 2027年2月1日 |
| 不動産の使用料等の支払調書 | 同じ人に年15万円超(法人への支払は権利金・更新料等だけ) | 所轄税務署 | 2027年2月1日 |
| 不動産等の譲受けの対価の支払調書 | 同じ人に年100万円超 | 所轄税務署 | 2027年2月1日 |
| 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書 | 同じ人に年15万円超 | 所轄税務署 | 2027年2月1日 |
| 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表 | 税務署に法定調書を出すときにあわせて出す | 所轄税務署 | 2027年2月1日 |
金額は「〜を超える」です。ちょうど15万円なら、不動産の使用料等の支払調書は出さなくてよいことになります。
不動産の3種類(使用料等・譲受けの対価・あっせん手数料)を出すのは、法人と、不動産業者である個人(主に建物の賃貸借の代理・仲介をする人を除く)です。税務署へ郵送するときは、税務署ではなく業務センター宛てです。宛先は全国 税務署一覧の「郵送先」列で引けます。
報酬・料金の支払調書は区分で金額が違う
| 区分 | 提出範囲 |
|---|---|
| 外交員、集金人、電力量計の検針人、プロボクサーの報酬・料金 | 同じ人への年間の支払合計が50万円を超えるもの |
| バー、キャバレー等のホステス、バンケットホステス、コンパニオン等の報酬・料金 | 同じ人への年間の支払合計が50万円を超えるもの |
| 広告宣伝のための賞金 | 同じ人への年間の支払合計が50万円を超えるもの |
| 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構が支払う診療報酬 | 同じ人への年間の支払合計が50万円を超えるもの(国立病院・公立病院など公共法人等への支払は不要) |
| 馬主が受ける競馬の賞金 | 1回の支払賞金額が75万円を超える支払を受けた人の、その年中のすべての支払金額 |
| プロ野球の選手などが受ける報酬・契約金 | 同じ人への年間の支払合計が5万円を超えるもの |
| 上記以外の報酬・料金等(原稿料、講演料、弁護士・税理士等の報酬など) | 同じ人への年間の支払合計が5万円を超えるもの。法人への支払で源泉徴収の対象にならないものや、源泉徴収していないものも範囲内なら提出 |
最後の行には、原稿料・講演料や、弁護士・税理士への報酬などが入ります。同じ人に年5万円を超えて払っていれば対象です。
法人への支払で源泉徴収しないものや、金額が少なくて源泉徴収していないものも、提出範囲に入れば出します。ここ、うっかり漏れやすいんですよね。
源泉徴収票のみなし提出と合計表
2027年1月1日以後は、給与支払報告書を市区町村に出すと、税務署に給与所得の源泉徴収票を出したものとみなされます。eLTAX・光ディスク・紙のどれで出しても同じです。
- 受給者に渡す源泉徴収票は、これまでどおり全員分が必要です。
- みなし提出になっても、税務署から通知は来ません。
- 合計表は、退職所得の源泉徴収票や報酬の支払調書など、ほかの5種類のどれかを税務署に出すときだけ必要です。そのとき給与所得の源泉徴収票の欄は書かなくてかまいません。
- 令和7年分以前の源泉徴収票(出し忘れや訂正)は対象外です。税務署と市区町村の両方に出します。
- eLTAXで源泉徴収票と給与支払報告書を同時に出す「一元化機能」は、2026年9月で終わっています。
30枚以上はe-Taxなどが義務(判定のしかた)
前々年(基準年)に提出すべきだった枚数が30枚以上の法定調書は、e-Tax・認定クラウド等・光ディスク等で出さないといけません。紙では出せません。
| 提出する年 | 基準年 | 義務になる枚数 |
|---|---|---|
| 2026年 | 2024年 | 100枚以上 |
| 2027年 | 2025年 | 30枚以上 |
| 2028年 | 2026年 | 30枚以上 |
- 判定は種類ごとです。報酬の支払調書が30枚、不動産の使用料等が5枚なら、e-Taxが義務なのは報酬の支払調書だけです。
- 数えるのは「提出すべきだった」枚数で、実際に出した枚数ではありません。
給与支払報告書は少しややこしくて、基準年に税務署へ提出すべきだった給与所得の源泉徴収票の枚数で判定します。この枚数は改正前の提出範囲で数え、みなし提出になった分も入れます。
| 区分 | 受給者 | 改正前の提出範囲 |
|---|---|---|
| 年末調整をした人 | 法人の役員(現に役員でなくても、その年中に役員だった人を含む) | その年中の給与等が150万円を超える |
| 年末調整をした人 | 弁護士、司法書士、税理士など(所得税法204条1項2号の人) | その年中の給与等が250万円を超える |
| 年末調整をした人 | 上の2つ以外の人 | その年中の給与等が500万円を超える |
| 年末調整をしなかった人(扶養控除等申告書を出した人) | その年中に退職した人、災害で源泉徴収の猶予等を受けた人 | その年中の給与等が250万円を超える(法人の役員は50万円を超える) |
| 年末調整をしなかった人(扶養控除等申告書を出した人) | 主たる給与が2,000万円を超えて年末調整をしなかった人 | 全部 |
| 扶養控除等申告書を出さなかった人 | 月額表・日額表の乙欄・丙欄の適用者など | その年中の給与等が50万円を超える |
国税庁のQ&Aの例だと、年末調整した年600万円の人20枚と、乙欄で年40万円の人15枚を出した年は、改正前の範囲に入るのは20枚だけ。2年後の給与支払報告書はeLTAXの義務がない、という判定になります。
エクセルの判定シートの使い方
- 「e-Tax義務判定」シートのB3に、提出する年(例:2027)を入れます。基準年と義務になる枚数が自動で出ます。
- 種類ごとに、基準年に提出すべきだった枚数をB列に入れます。
- 「判定」列に「義務あり/義務なし」、「出し方」列に書面でよいかが出ます。
- 給与支払報告書の行は、「改正前の範囲」シートで人数を区分ごとに入れると合計が出るので、それを使ってください。
判定の式はこうなっています。B5が義務になる枚数、B8が入力した枚数です。
=IF(B8="","枚数を入力",IF(B8>=$B$5,"義務あり","義務なし"))
LibreOfficeで2026年・2027年・2028年、29枚・30枚・100枚などを入れて、手で計算した結果と一致するのを確かめています。
使うときの注意
- 2026年10月28日に国税庁サイトで見た内容です。手引は9月18日に訂正版が出ています。正誤表の訂正箇所(p.4・12・21・31・33・34)に、提出範囲と期限は入っていません。
- 金額は原則として消費税等を含めて判定します。消費税等がはっきり分かれていれば、含めずに判定してもかまいません。
- 不動産等の譲受けの対価のうち、公共事業施行者等の買取り等は四半期ごとの提出です(各四半期末の翌月末日まで)。
- 非居住者・外国法人への給与・報酬等は別の支払調書です(年50万円以下は不要)。この表には入れていません。
- 法定調書は全部で63種類あります。この表は手引で扱う主なものだけです。
よくある質問
給与支払報告書を出せば、源泉徴収票は作らなくていいですか?
税務署に出す分は作らなくてよくなります。受給者に渡す源泉徴収票は全員分作ります。
2025年に税務署へ出すべき源泉徴収票が40枚ありました。2027年はどうなりますか?
基準年(2025年)が30枚以上なので、2027年に出す給与所得の源泉徴収票はe-Tax等、給与支払報告書はeLTAX又は光ディスク等が義務です。給与支払報告書を出していれば、源泉徴収票は税務署に出しません。
合計表はいつ要りますか?
給与所得の源泉徴収票以外の5種類(退職・報酬・不動産3種)のどれかを税務署に出すときです。給与支払報告書だけなら要りません。
商用で使っていいですか?
国税庁ホームページの内容は公共データ利用規約(第1.0版)に沿って使えます(国税庁「著作権について」)。使うときは、国税庁の資料を加工したものであることを書いてください。
出典・データの時点
- 国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(第1章 2026年8月19日、第2章 10月1日、第3章 9月18日更新、正誤表 9月18日。10月28日取得):提出範囲・提出先・期限・30枚基準
- 国税庁「源泉徴収票(給与所得・公的年金等)のみなし提出の特例に関するQ&A」(令和8年4月、10月28日取得):みなし提出、改正前後の提出範囲、合計表、電子提出義務の数え方
- 国税庁「源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ」(2026年10月23日更新):制度の概要、一元化機能の終了
- 国税庁 タックスアンサーNo.7455(令和8年4月1日現在法令等):30枚・100枚の基準
- 利用条件:国税庁ホームページ「著作権について」により公共データ利用規約(第1.0版)
- このページの表とファイルは、上の資料から当サイトが表の形に加工して作成したものです。国税庁が作成したものではありません。

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